訪問看護師の課題について


訪問看護師の課題について

1)訪問看護とは

近年、特に急性期病院において、早期退院と地域医療の活性化に向けた取り組みが推進されてきています。それに伴い、自宅で療養生活が送りたいという要望が増加したため、訪問看護のニーズが高まってきました。

しかし、訪問看護の事業所は開業数が増加してきたのにもかかわらず、実際にケアを実施する訪問看護師は不足しているのが現状です。また、人員不足の他にも、訪問看護の現場に関係する様々な課題が挙げられています。とある病院で聴取した内容をまとめました。

2)訪問看護師からの課題

病院から退院し、訪問看護を実施するためには、届出や機材等の様々な準備が必要となってきます。病院での看護内容をそのまま実施することはできないことはもとより、医師以外にも様々な職種と連携しながら、患者・家族ごとに可能な協力を依頼していく必要があります。

そのため、最も多く聞かれたことが、他職種との連携がスムーズに行えないという課題です。具体的には、患者の状況を担当医師に報告しても十分な対応・指示が得られなかったり、病棟の看護師との情報連絡に不足があったりというものです。

次に、患者と家族との要望、または、彼らの要望と医師からの指示との板挟みになることがよくあるという点です。訪問看護師は、患者と家族の要望を受け入れることと同様に、様々な情報からアセスメントして必要とされるケアを確実に実施していくことも必要です。

そして、このように高いアセスメント力が求められているにもかかわらず、訪問看護の事業所によっては、人員不足のために充分な取り組みが行われず、各個人でのスキルアップに頼っている点も課題として挙がります。

3)患者・家族からの課題

まず、看護師への不安の声が多いです。例えば、担当医師への伝言を依頼したのに伝達ミスがあったり、看護技術や知識等に看護師間で格差があったりして、信用して任せることができる看護師は少ないという訴えです。

次いで多いのがサービス内容に関して、土日祭日や連休期間、そして夜間にも定期的に訪問してもらいたいが緊急時しか対応してくれないことがあります。

4)医師からの課題

訪問看護を依頼する担当の医師は、多数の訪問看護関連の各種書類を作成・提出することが義務付けられており、また、訪問看護で必要とされる医療材料等を用意する必要もあり、多忙な通常業務の他に、その作業に取り組む時間を捻出すること自体が難しいと言う医師もいます。

そして、訪問看護師による報告内容から必要とされる情報を聞き出せなかったり、看護師に指示した通りに実施できているか確認ができなかったりという、訪問看護師に対する不安の声も聞かれました。

5)訪問看護師の今後のこと

このように、様々な方面から、各訪問看護師のスキルアップへの取り組み、他職種との連携・調整、患者・家族への相談・指導に関する課題が挙がります。

訪問看護は、早期退院・地域医療には欠かすことのできない職種であり、今後もますますの発展が求められるため、これら多くの課題と向き合い、改善策を講じることが必要とされています。

コメント

    • 仮屋 宏美
    • 2015年 7月 29日

    医師との連携は、診療所、医院とは図りやすいのですが、大きな病院程、色んな手続きがあり、医師とのコンタクトが取りにくいのが現状です。医師も在宅医療について知識があれば抵抗なく対応してくださるのだと思います。
    看護師不足に関しては、ある一定期間の臨床経験を終えた看護師について、訪問看護に携わる仕組みを取り入れる(ステーションを持つ病院等に限られてしまいますが。)
    そうすれば、在宅と病院との連携も大分図りやすく、在宅への移行に抵抗が無いのではないでしょうか。

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